2019/03/30

東京都オープンデータアプリコンテストの作品発表会に行ってきました

先日ブログでも書いた「東京都オープンデータアプリコンテスト」の作品発表会が3/24(日)にあり、観覧してきました。

出場作品は以下。
1.スポーツイベントカレンダー(株式会社ジョルテ)
カレンダーアプリのジョルテに東京都のオープンデータからスポーツイベントを収集し、予定として登録するというもの。

2.ruprun!(犬伏さん・海老澤さん)
港区など施設情報のオープンデータを活用し、ランニングコースの提案をしてくれるアプリ。銭湯に寄りたい・何キロ走りたいとかを入力するとそれに合致したランコースを提案。

3.パパママ向けに乳幼児向け公園をレコメンドするアプリ「こうえんしょうかい」(NPO法人そとぼーよ、品川区子供未来子供支援課、立正大学)
品川区のオープンデータ(公園の施設一覧と住所)に、立正大学経済学部の学生がフィールド調査で撮影した公園写真、品川区内の子育て支援団体による説明文もつなげ、アプリで見られるようにしたもの。

4.Ariake Tennis VR(唐鎌さん)
有明コロシアムの予定図面を使って、有明コロシアムでテニスができるVRアプリをつくった。DayDream対応。都内のテニス関連施設一覧も活用。
スティックの加速度センサーを活用し、当たり判定。展示されていたので休憩時間中に遊んでみたんですが、フォアハンドは割と感覚通りに当たって面白かったです。

5.リンククロスアルク(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社)
全国の散歩コースをオープンデータを活用して作成し、アプリ上で見られるようにしている。TOKYO WALKING MAPに各市区町村がアップしているウォーキングコース([トーキョーウォーキングマップ](http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/walkmap/))を掲載。


各作品の発表後は、「今後求められるオープンデータの活用とは?〜2020年とその後を見据えて〜」と題しトークセッションがありました。
登壇者はこんなかんじ。
・野川春夫さん(順天堂大学大学院)
・及川卓也さん(元Google)
・村上文洋さん(三菱総研)
・矢野りんさん(Simeji UXデザイナー)

今日の感想としては
矢野さんが「公開されているオープンデータの課題を出すというよりはなんとかデータをこねくり回して使うという印象を受けた。もっと開発者としてデータフォーマットの課題を提起してもよいのでは?」と仰っていたのが印象的でした。

また、審査員が考えるオープンデータの好活用事例として、
カーリル(全国の図書館で借りられている書籍、蔵書の検索)
給食ナビ(給食献立情報の開示と、晩ごはんの献立を栄養バランスから提案)
Coaido119
などが紹介されていました。

さいごに、今後オープンデータを公開していく自治体へ望むこととして、
・サービスがエンドユーザーに使われて、それに載せるためにはこのFMTのデータが必要だよというのを他自治体にも伝える
・都道府県に旗を振ってもらう
・自治体の中の人が、自分で使ってみる(自分たちが公開しているデータが何に役立つのか、あるいは出す上でどういう点が課題なのかが肌感で分かる)
という話が出ていました。

最後の「サービスがエンドユーザーに使われて、それに載せるためにはこのFMTのデータが必要だよというのを他自治体にも伝える」は我々市民(サービス運営者側)も意識しておくべきことだなと思っていて、

そもそも行政が保有するデータはとても有益なものだが、中の人が活用する機会はあまりない(管理しているに過ぎない)
⇒市民が「こういう形式でこんなデータがほしい」という要望を上げても、それに対応する便益を中の人はわからない
⇒一方で、あるサービスがあり、一定程度のユーザーが使っているという事実は、データの要望に対する対応をする稟議を自治体内でも上げやすい
⇒よって、サービス側もエンドユーザーへ価値を提供した上で、その価値提供のためにデータが必要、という論で要望を上げたほうがよい


と考えています。


普段あまりオープンデータ周りのイベントには参加したことがなかったので、最後のトークセッションで出た事例など勉強になったことは色々ありました。
また機会があれば参加しようと思います。

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