2018/12/24

最&高なエンジニアコミュニティ「CAMPHOR-」ができるまで


この記事はCAMPHOR- Advent Calendar 2018の24日目の記事です。23日目の記事は@asamasCloud Pub/Subを使ってgmailの通知を受け取るlinebotでした。

こんにちは。@watamboです。CAMPHOR-の立ち上げと初代代表を務めていました。
いまはリクルートで「ジョブオプ」というアルバイト採用支援を行うHRtechサービスのPMをしつつ、Vi-Kingという会社を経営しています。

CAMPHOR-(「カンファー」と読みます)はエンジニア・デザイナーを中心としたコミュニティです。京都大学と中目黒近くで無償のコワーキングスペースを運営しています。
今日はCAMPHOR-を立ち上げたメンバーの1人として、コミュニティとしてのCAMPHOR-ができるまでについて書きたいと思います。


きっかけ、設立


学生時代に京都市役所や経済産業省でインターンとして働いていたことがきっかけで、日本の産業を盛り上げるような仕組みをつくる仕事がしたい、そうすると将来は国家公務員かなあという漠然とした思いがありました。
どうせ公務員になるなら真逆のベンチャーも見てみよう、ということで参加したイトクロのインターンで出会った柿本(現ZOZOテクノロジーズ)と意気投合し、そこに1回生のときの同級生だった@kasajei / @Y_Kakizoe、更に就活中に知り合った深澤さん(現SOOL)・副島さん(現Faber Company)も加わり、6人でVi-King*1という会社を起業しました。

創業メンバーで議論を重ね、日本の輸出産業を生み出し続けるためのプラットフォームを京都につくりたい、というビジョンが決まりました。


ビジネスプラットフォームから専門家のためのコミュニティへ


まず、ビジネスのプラットフォームを作るために必要な要素は以下と仮説立てしました。

(1)優秀なビジネス・デザイン・エンジニアリングの専門家が集まっている
(2)タネとしてのサービス・プロダクトがいくつか存在している
(3)自発的に相互のナレッジ共有がされる
(4)サービス・プロダクトのグロースに必要な資金が潤沢にある

この仮説を検証するための場をCAMPHOR-(「カンファー」)と名付けることにしました。
なお、CAMPHOR-の名前の由来は、創業メンバーの多くが京都大学の学生だったこともあり、京都大学(大学の象徴である「クスノキ(camphor)」)から、様々なプロダクトや産業の可能性を生み出し、「CAMPHOR- XX」とも言えるものを世の中に出していきたい、という想いを込めて「-」をつけ、「CAMPHOR-」という名前になっています。

さて、CAMPHOR-を始めていくことになったわけですが、まず1点目について、そもそもそんな専門家がどこにいるのか分からなかったので、ビラ*2をとにかくばら撒き、説明会を実施することにしました。


タネとしてのサービス・プロダクトもなかったので、とにかくなんでもやりました。出町柳駅近くの町家でBarを運営したり、ブログを運営*3したり、黎明期だったmixiアプリやiPhoneアプリを開発したり。

初期メンバーは皆エンジニア・デザイナーを専門でやっていたわけではなく、独学でみんなで勉強し教え合い、できるようになったという感じです。
初期は、ビジネスとして成果を出すことに視界を集中してしまっており、プロトタイプをとにかくベンチャー起業家や投資家にメンタリングしてもらう場をたくさん設けていました*4


ただ、無理にプロトタイプを継続して出そうとすると、アイデア段階のものになってしまいがち、という課題が出てきました。
優秀な人たちが集まる場というのは間違いない、という確信はあったので、自発的に相互のナレッジ共有がされる・そのメリットがあるコミュニティのような場をまずつくろうと思うようになりました。
そのコミュニティが存続し、新しい人が入り続けるために、物理的な場所が必要だ。と考えるようになりました。


エンジニア・デザイナーのための無償コワーキングスペース「CAMPHOR- HOUSE」


ただ、その時点では、場所を借りようにも、CAMPHOR-自身が賃料を支払えるだけの収益を生み出すことはできていませんでした。
プロトタイプのメンタリングをお願いする中で出会った様々な企業に、こういうコミュニティを作っているので資金援助をしてほしいとお願いして回り、リクルートとサイバーエージェントから立ち上げ資金を提供いただけることになりました。
CAMPHOR- HOUSEの大家さんにも、Vi-KingやCAMPHOR-のビジョンや取り組みを説明し共感いただき、普通では考えられない値段で一軒家を提供いただけることになりました。


机や枯山水風の庭を自分たちで作ったりして、2012年9月1日、ついに完成 🎉


それぞれ異なるスキルを持つ人たちが集まり、何かを生み出し続けることができるコミュニティとして、ようやくCAMPHOR-は動きはじめました。
ビジネス的な成果、という目線はいったんおいて、コミュニティとしての魅力を外の人にも知ってもらい盛り上げることに注力してきました。

popbd(「ポップボード」)、Windows8アプリを中心に数多くのプロダクトリリース*5、Makuakeでのクラウドファウンディング*6、LINEの全国横断イベントの京都開催、PythonBootCamp@Kyotoの開催など。


CAMPHOR-のための中目黒の作業スペース「CAMPHOR- BASE」


CAMPHOR-メンバーの多くはエンジニア・デザイナーであり、卒業後は東京の企業へ就職する人が多く、コミュニティを長く運営するうちに卒業生から、「東京にもCAMPHOR- HOUSEのような自由に集まれる場所がほしい」という話をきくことが増えてきました。

彼らはIT企業の多い渋谷・恵比寿・六本木に通いやすい中目黒近辺に住んでいたので、Vi-Kingのオフィスを東日本橋から中目黒へ移転し、CAMPHOR-OBが自由に作業できる場所として「CAMPHOR- BASE」をオープンしました。

CAMPHOR- BASEでは、定期的に集まり、美味しい 🍣 を食べながら、Apple / Google / Amazonのテック系発表内容について皆でキャッチアップしたり、普段の仕事では接する機会のないテーマでの勉強会(財務諸表を読む会、地方創生、環境問題)をしたりしています。


その他にもふらっとみんなで集まりお酒を飲んだりしています。



コミュニティの行動プロトコルとしてのHack


CAMPHOR-は、エンジニアが多く集まるコミュニティですが、CAMPHOR- HOUSEの学生メンバーとも話していて、関心はエンジニアリングに閉じているわけではなく、幅広い知的好奇心を持つ人が多いという印象です。
実際、CAMPHOR- BASEで開催した地方創生の勉強会は、関連知識はゼロだけど質問が多く出てとても盛り上がりました。
CAMPHOR-の人たちが卒業後も自然とつながり続けているのは、共有している思考や行動パターンのようなものがあるのでは思っており、それは「Hack」なのではと考えています。
Hackとはエンジニアリングを想起しやすいけれど、本来は「切り拓く」「うまくやり抜く」という意味を持つ言葉です。世界の様々な事象に対し、問題設定をし、その問題を創造性豊かにスピーディーに解決する、あるいはそういったことに関心を持ち続けている人たちが多いと僕は感じています。
だとしたときに、CAMPHOR-の1メンバーとして、僕は問題設定のためのネタを提供し続けていきたい。(そして僕もみんなと一緒に解きたい)


CAMPHOR-にいて楽しいこと、今後やりたいこと


少しふわっとした話になってしまいましたが、最後にCAMPHOR-にいて楽しいことについて書きます。

(1) それぞれ色々な取り組みをしている
京都の学生メンバーも卒業した人たちも様々な専門分野、業界・職種で仕事をしています。例えば、
Laborifyという、大学院生が自身の研究紹介をするサイトを運営していたり
・500万超のDLがされている、ワクワクするスマホゲームをつくっていたり
・自主制作の映画をつくっていたり
全てを紹介することはできませんが、会うたびに皆新しい取り組みを始めていたりなどとても刺激を受けるし、自分も頑張らないとという気持ちになります。

(2) Slackが面白い
CAMPHOR-全体で1つのSlackグループが運営されており、テーマごとにチャンネルがあり平日土日・昼夜問わず様々な情報交換がされています。(社会人も即レスなので、みんな本当に仕事をしているんだろうか…?と感じるときがあるw)
お気に入りは#beginnersチャンネル(初心者が気軽に質問ができる。見る専ですが、なかなか勉強になることが多い)と#funnyチャンネル(くすっと笑える内容が投稿される。あっはい、仕事します)です。

(3) みんなでもくもく開発をするのが面白い
先日、石川県の和倉温泉まで、有志で開発合宿へ行ってきました。3日間で取り組むべきことを決めて各自作業したり温泉に入ったり、作業したり温泉卵を食べたり最高に楽しかったのでまた行きたい*7



最後の最後に。
CAMPHOR-は京都の学生を中心として始まったエンジニア・デザイナーのためのコミュニティです。毎年、学生が代表となりCAMPHOR- HOUSEを運営、盛り上げてくれています。
ここまでCAMPHOR-が続いてきたのは各期の代表の皆さんはじめCAMPHOR- HOUSEのメンバーのおかげです。(言うまでもありませんが、CAMPHOR-の取り組みに対して様々なご支援をしてくださる企業の皆さまのおかげでもあります*8

このAdvent Calendarの記事を書くにあたって、#advent_calendarチャンネルで、とあるメンバーが
「誰か、CAMPHOR-というコミュニティの説明記事を書いてほしいなあ」
と投稿したのに対し、学生メンバーから真っ先に「書きましょうか?」という反応があったことが、勝手ながら個人的にはとても嬉しく、CAMPHOR-は今やみんなにとってのコミュニティなんだなあという温かい気持ちになりました。

コミュニティの存続年数が長くなるにつれ、学生メンバーとの接点のない社会人も増えてきました。
2019年は、もっと学生と社会人メンバーの交流などコミュニティ全体として盛り上げていこうと考えています。
CAMPHOR-のメンバーがそれぞれいま取り組んでいる研究や仕事について共有し合う会を開催するなど、京都のCAMPHOR- HOUSE、中目黒のCAMPHOR- BASEをもっとつなげるイベントをやっていこうと思います。


まだ遊びに行ったことがないCAMPHOR-に興味のあるエンジニアの皆さん、ぜひ一度遊びに来てください。
ようこそ、最&高なエンジニアコミュニティ「CAMPHOR-」へ!


さて、CAMPHOR- Advent Calendar 2018 明日の担当は現CAMPHOR-代表の@yu_i9です。お楽しみに!

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*1: 社名の由来は「6人(Ⅵ)の王様(King)」と「海賊のように非常識から何かを切り拓こう」から。
*2: 当時ばら撒いたビラ。色々アレだし恥ずかしすぎる。
*3: 「京都カフェランチ日和」「東京カフェレビュー」など色々運営した。
*4: メンタリングの様子はこちら。http://d.hatena.ne.jp/watambo/20111120/1321717724
*5: https://blog.camph.net/release/old-products/
*6: https://blog.camph.net/news/crowdfunding/
*7: その様子は「和倉温泉に開発合宿に行ってきました」にまとまっている。
*8: https://camph.net/#sponsors